ベアフットとは、英語でbare foot、つまり裸足を意味する。
昨年に販売された、
クリストファー・マクドゥーガルの著書である
「BORN TO RUN」の翻訳本がきっかけで、日本でもランナーを
中心に「ベアフット」という思想が広がっているとか・・・。
どんな内容の本かというと、いつも足に故障を抱えるランナーのマクドゥーガルは、
メキシコの少数民族で「走る民族」と称されるタラウマラ族の存在を知る。
彼らは、室内履きのようなサンダルで気の遠くなるような長距離を走ることができて、
故障もしない。
そこで、彼らのことを調査し、もっとよく知れば、自分も含めて足の故障に悩む現代の
ランナー達のためになるのでは・・・と考える。
といった内容らしい。
で、流行にはすぐに食いつく僕は、さっそくベアフット・シューズなるものを購入。
4月に発売されたばかりの、
ニューバランスのMT10というモデルだ。
実際に履いてみると、なるほど裸足に近い感覚だ。
イメージとしては、小学校の「上履き」がもっとも近いかもしれない。
それでは早速、初のベアフット登山、スタート!
直後に現れる突き当たりの砂防ダムは右側を登る。
砂防ダムを越えてすぐ、右側にものすごい高度感の崖が!
この時、アタマの中に一抹の不安がよぎる。
なんせこの日の僕の格好は、半そでにジャージ、そして靴は「上履き」という、
まさに「近所へちょっと買い物へ」という感じだし。
こんなんで大丈夫か?俺。
その後、2つめの砂防ダムを越え、しばらく歩くと滝が出現。
かなりワイルドな雰囲気を醸し出しているこの滝は、すぐ右側の植林を這い上がる。
このコース、終始道は不明瞭ではあるが、「J」と書かれた黄色いテープがポイントに
貼ってあり、行く先をナビしてくれる。
このコースの特徴として、倒木が多いことが挙げられる。
あと、枯れ木とかヤブもあるし、崖崩れ箇所も多数ある。
特に崖崩れ箇所や落石がありそうな所などは、立ち止まらずに素早く通過するように
心がける。
さて、ベアフット・シューズであるが、こんな過酷なコースではあるが、
意外にいい感じである。
石とか枯れ枝を踏んでも足の裏は痛くないし、それでいて足裏感覚はしっかりある。
ソールの厚さが絶妙なんだろうな。
黄色いテープは、時に日本語でやさしくナビしてくれる。
どこのどなたが貼ってくれたのかはわからんが、ステキだ。
次々と出現する滝、倒木、巨岩、多い水量・・・。
どうする?俺。
しばらく進むと、谷が二股に分かれているポイントがある。
左の谷が開けているが、実は右が正解。
ここは事前に調べるか、地図が読めないと確実に迷うところだ。
でも、しっかりと例の黄色いテープが貼ってあった。
ここまで、おニューのシューズが汚れるのがイヤで(エー!?)、水の中に
足を浸さないように気を付けてきたのだが・・・。
しょせんこのコースでそれは無理だと判断し、吹っ切れた時の図。
ここから、ペースが格段に上がるのだった。
テープは貼ってあるが、これ、道か?
とにかくドンドンと谷を詰めていくと、そのうち谷から水が消えて無くなる。
ここからさらに谷筋を一直線に詰めていくとダイトレに出るはずだ。
しかしここで僕は、赤いテープに誘われて右へと巻く山道をしばらく進んでしまった。
途中でおかしいと思い、Uターンしてここまで戻ってきたのだが、ここは間違いやすいと思った。
このコースで信じていいのは、黄色いテープだけということね。
最後には励ましの言葉まで・・・。
もう、惚れそうである。
あたりが笹になってくれば、このコースの終点も近い。
顔を上げると、すぐそこにダイトレが見える。
しかし、ダイトレに出る直前の短い距離が意外と手強かったりする。
ここは一発、藪の中からいきなり出ていき、ダイトレを歩いている人をビックリ
させてやろうと思ったのだが。
平日ということもあり、そこには誰もいなかった・・・。
さて、ここからは
転法輪寺に行ってみた。
もしかしたら桜が咲いているかもしれないと期待したのだが、まだ全く咲いていなかった。
ここの桜はやっぱり5月に咲くのね。
とりあえず、山頂広場でラーメン&コーヒータイム。
飯を出したとたんにハトが寄ってきた。
帰りは
郵便道を通り、車の置いてある
高天彦神社へと下る。
最後に、高天滝で汚れたシューズを洗い、裸足を冷たい水に浸してリフレッシュ!
さてさて、今回初めて試してみたベアフット・シューズであるが、思いのほか快適で、これは使えると思った。
なんといっても軽く、柔らかくて足を自由に動かせるし、いわゆる登山靴とは全く違う感覚で
山に登ることができる。
ベアフット・シューズの軽さを表現した図。
今回、裸足でこの靴を履いてみたが、下りを含めて足が痛くなることは無かった。
ソールからの突き上げもさほど気にならず、むしろ石や木などがある自然の道を
踏みしめた時の感覚は、慣れるとクセになるかもしれない。
また、このシューズを履いて歩いていると、捻挫することなどはあり得ないと思った。
そもそも捻挫というのは、ソールの高い靴とか硬い靴を履いている時に、石などを
踏んづけた時に起こすものである。
ベアフット・シューズにいたってはこの正反対に位置する靴なので、意外なほど
安定するし、仮に石を踏ん付けたとしても、足で石を包み込むような感じになる。
ただ、急な土手などを登る時などはキックステップができず、それこそ靴の軽さと
柔らかさを生かして猫のように一気に登るような感じになる。
登山靴が靴の性能で登るとすれば、ベアフット・シューズは人間が本来持っている
足の力で登るという感じだ。
面白いのは、今日になって
足の指が筋肉痛になるという、人生初の経験をしたことだ。
そういえば、急な斜面の登りでは常につま先立ちになっていたもんなあ。
結論からいえば、このベアフット・シューズは「有り」である。
足の裏には無数のツボが集中しているし、出来るだけ自然に近い山を足の裏で感じながら
歩くというのは、健康登山が目的であれば一石二鳥だろうしね。
というわけで、ある程度整備された登山道を歩くのであればオススメだ。
【主なベアフット・シューズ】
[メレル] MERRELL True Glove
vibram(ビブラム) five fingers ファイブフィンガーズ KSO TREKSPORT メンズ 5本指シューズ
あなたにおススメの記事