大峰大橋(清浄大橋)を渡り、発菩提心門をくぐる。
これが女人結界で、ここからは男だけの世界となる。
なんかイヤやな、この響き。
薄暗いスギ林を進む。
たまに人とすれ違うと、必ずその人は僕に「お参り?」と聞いてくる。
最初は「いえ」とか「ハイ」とか適当に答えていたのだが、あまりにも皆が同じコトを聞いてくるので、おかしいな?と思っていた。
後でわかったのだが、このヤマでは「こんにちは」の代わりに「おまいり~!」と言うらしい。
しばらく登ると、一本松茶屋に着く。
一本松茶屋の中。
無人である。
このルートで唯一の水場である「お助け水」で水を補給。
しばらく歩くと、世界遺産の「大峰奥駈道」と合流する。
この辺りは洞辻茶屋、陀羅助茶屋と賑やかな茶店が続く。
中はやっぱり無人。
いつから営業するんだろ?
ここから気持ちのいい尾根道が続く。
これが陀羅助茶屋か。
中はこんな様子だ。
茶屋の中を登山道が通っている。
なんか、ここを通ると自分がヤマにいることを忘れそう。
修験の山だっていうから、もっと殺伐とした雰囲気を想像していたのだが、なんだかけっこう俗っぽい。
わらじ履替場である。
ここで道を左に取ると本格的な修行路に入る。
いきなり鎖場が現れる。
いよいよこのヤマが本性を現すか?
鐘掛岩。
上の方は展望台になっている。
展望台までは岩場だが、登れないことはないゾ!
楽勝、楽勝!
と、展望台のところまで登ると、さらにそこから崖がそびえ立っていた。
まさかここは登らんだろ・・・と思っていたのだが・・・
なんと、鎖が垂れ下がっているではないか!?
ギョエー、ここも登るのか?
100人登ったら、1人くらいは落ちそうだ。
そして、看板には注意書きが・・・。
過去に何度か転落事故があったようで、ガイド無しでは登らないようにと警告がしてあった。
僕は恐る恐る登ったが、巻き道もちゃんとある。。
鐘掛岩のテッペンは岩しかなく、祠が立ててあった。
手すりなどは無いので、足を滑らせて落ちたらタダでは済まない。
でも、ここからの景色は素晴らしい。
さて、いよいよ本日のハイライトである「西の覗」だ。
この辺りは断崖絶壁の地形となっている。
この絶壁の先端から下を覗くというのが、修験道捨身行の1つである。
鎖を握りしめ、恐る恐る下を覗いてみる。
むちゃくちゃ怖い!
頂上付近には、大峰山護持院の宿坊がある。
宿坊の中の1つを覗いてみる。
大峰四門の最後、妙覚門をくぐると仏と1つの境地に入ったことになり、大峰山寺本堂に着く。
本堂の様子。
本堂正面の右手に緩やかな登り坂があり、それを登るとようやく山上ヶ岳の看板があった。
山頂付近は気持ちのいい広場になっている。
ここからの景色も素晴らしい。
さて、帰りはレンゲ辻からレンゲ坂谷を下ることにする。
レンゲ辻で女人結界門を出た。
ようやく男だけの世界から開放されたワケだ。
あとはこの谷を下っていくだけ。
途中、道が不明瞭でわかりづらい箇所もあるが、道に迷っても心配はない。
地形図を見ると、たとえ道に迷っても谷沿いに下っていけば、必ずもとの道に戻れる筈だからだ。
この山上ヶ岳であるが、なかなか刺激的で面白かった。
駐車場から2時間半ほどで頂上まで登れるし、思ったよりも気軽に登れるヤマだ。
修験の山なのでもっと敷居が高そうだと思い込んでいたが、これはけっこうオススメである。
まあ、男しか登れないが・・・。
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