女人禁制の山、山上ヶ岳を登る

まこっさん

2010年05月22日 22:39

昨日は天気も良かったし、山上ヶ岳(1719.2m)に登ってきた。
今でも女人禁制を守り、通称「大峰山」と呼ばれるこの山上ヶ岳は、男子が15歳になると必ず山上参りとして、「西の覗」などで修行をさせたという。
大峰大橋(清浄大橋)を渡り、発菩提心門をくぐる。







これが女人結界で、ここからは男だけの世界となる。
なんかイヤやな、この響き。







薄暗いスギ林を進む。

たまに人とすれ違うと、必ずその人は僕に「お参り?」と聞いてくる。
最初は「いえ」とか「ハイ」とか適当に答えていたのだが、あまりにも皆が同じコトを聞いてくるので、おかしいな?と思っていた。

後でわかったのだが、このヤマでは「こんにちは」の代わりに「おまいり~!」と言うらしい。







しばらく登ると、一本松茶屋に着く。






一本松茶屋の中。
無人である。







このルートで唯一の水場である「お助け水」で水を補給。







しばらく歩くと、世界遺産の「大峰奥駈道」と合流する。
この辺りは洞辻茶屋、陀羅助茶屋と賑やかな茶店が続く。







中はやっぱり無人。
いつから営業するんだろ?







ここから気持ちのいい尾根道が続く。







これが陀羅助茶屋か。







中はこんな様子だ。






茶屋の中を登山道が通っている。
なんか、ここを通ると自分がヤマにいることを忘れそう。

修験の山だっていうから、もっと殺伐とした雰囲気を想像していたのだが、なんだかけっこう俗っぽい。







わらじ履替場である。
ここで道を左に取ると本格的な修行路に入る。






いきなり鎖場が現れる。
いよいよこのヤマが本性を現すか?







鐘掛岩。
上の方は展望台になっている。

展望台までは岩場だが、登れないことはないゾ!
楽勝、楽勝!







と、展望台のところまで登ると、さらにそこから崖がそびえ立っていた。
まさかここは登らんだろ・・・と思っていたのだが・・・


なんと、鎖が垂れ下がっているではないか!?
ギョエー、ここも登るのか?

100人登ったら、1人くらいは落ちそうだ。
そして、看板には注意書きが・・・。

過去に何度か転落事故があったようで、ガイド無しでは登らないようにと警告がしてあった。
僕は恐る恐る登ったが、巻き道もちゃんとある。。







鐘掛岩のテッペンは岩しかなく、祠が立ててあった。
手すりなどは無いので、足を滑らせて落ちたらタダでは済まない。







でも、ここからの景色は素晴らしい。







さて、いよいよ本日のハイライトである「西の覗」だ。







この辺りは断崖絶壁の地形となっている。
この絶壁の先端から下を覗くというのが、修験道捨身行の1つである。






鎖を握りしめ、恐る恐る下を覗いてみる。
むちゃくちゃ怖い!






頂上付近には、大峰山護持院の宿坊がある。
宿坊の中の1つを覗いてみる。







大峰四門の最後、妙覚門をくぐると仏と1つの境地に入ったことになり、大峰山寺本堂に着く。







本堂の様子。







本堂正面の右手に緩やかな登り坂があり、それを登るとようやく山上ヶ岳の看板があった。







山頂付近は気持ちのいい広場になっている。







ここからの景色も素晴らしい。






さて、帰りはレンゲ辻からレンゲ坂谷を下ることにする。

レンゲ辻で女人結界門を出た。
ようやく男だけの世界から開放されたワケだ。







あとはこの谷を下っていくだけ。

途中、道が不明瞭でわかりづらい箇所もあるが、道に迷っても心配はない。
地形図を見ると、たとえ道に迷っても谷沿いに下っていけば、必ずもとの道に戻れる筈だからだ。






この山上ヶ岳であるが、なかなか刺激的で面白かった。
駐車場から2時間半ほどで頂上まで登れるし、思ったよりも気軽に登れるヤマだ。

修験の山なのでもっと敷居が高そうだと思い込んでいたが、これはけっこうオススメである。
まあ、男しか登れないが・・・。




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